ビジネスシーンやネット上などで最近よく耳にしたり、目にする機会が増えている「レコメンドアイテム」「レコメンドエンジン」と言う用語ですが、何となく分かったつもりで無意識のうちに使っている人もいるのではないでしょうか?

今回は改めて、レコメンドの意味や使い方、どのようなロジックで決めているのか、おさらいしましょう。

そもそも「レコメンド」ってどういう意味?

「レコメンド」は英語の「Recommend」からできたカタカナ英語です。
基本的には「レコメンド=おすすめ」の意味で使われ、動詞にするときは、「レコメンドする」のような形で使われています。レコメンドをリコメンドと言う人もいますが、意味は同じです。発音的にはリコメンドの方が英語の音に近いです。

ちなみに、英語の「Recommend」にはもう少し柔軟な意味があり、人にものごとを「委ねる」「魅力的に思わせる」という意味でも使われています。

レコメンドの用語例
レコメンドアイテム

顧客に対して、おすすめしたい商品のことを指します。
お店側が意図的に商品を決めておすすめしている場合と、レコメンドエンジンによって抽出された商品がおすすめされている場合とがあります。

レコメンドエンジン

ある商品に関連する他の商品を表示したり、ある商品と一緒によく買われている他の商品を表示したり、プロフィールや行動履歴などが類似している他の顧客が購入した商品を表示するような処理を専門に行うソフトウェアやシステムのことです。

レコメンデーション

レコメンデーションとは、ECサイト運営に関わるマーケティング用語で「Recommend」の名詞形で「Recommendation」からできたカタカナ英語です。
ネットサーフィンをしていると、広告で自分が検索した商品が表示されていることがありませんか?また、Amazonや楽天などを使って買い物をしていると「こちらもオススメです」と、他の商品もおすすめされたことはありませんか?
これは、先ほどのレコメンドエンジンを使用したマーケティング手法の一つです。興味のある商品やサービスを表示することで、サイトへの再訪問や商品の購入に直接働きかけ、売り上げを伸ばすことを狙いとしています。

「レコメンド」のロジック

では、どのようなロジックで表示する商品が決まっているのかを見ていきましょう。

ロジック 1. ルールベース

押し出したい商品がありレコメンドをする目的がはっきりしているのであれば、ネットショップでも実店舗でも目立つところに「おすすめ商品」として打ち出します。
例えば、セールの目玉商品を目立たせてお得感を演出したり、12月に入ったらクリスマ関連のシーズン商品を打ち出して季節感を出していく、といったようなものです。

しかし、デメリットとして、運営者側ではお勧めしたい商品だとしてもユーザーの嗜好とかけ離れたものをレコメンドをしてしまう可能性があります。

ロジック 2. コンテンツベースフィルタリング

商品や求人などのコンテンツ属性(カテゴリー・値段・色など)を分析し、似たような商品をレコメンドする方法です。
「スニーカーを見た人にはスニーカーを、事務の求人を見た人には他の事務の求人をレコメンドする」といったものです。
例えば、アパレルのECサイトで「Tシャツを購入するユーザーは同じブランドの別のTシャツも興味を持つ可能性が高い」というような、商品のコンテンツ属性とユーザーの購入傾向を事前に分析しておけば効果的なレコメンドが実施出来ます。

デメリットとしてはカテゴリー等を分類する作業が発生するため、アイテム数が多いとかなりの時間を要します。また同じカテゴリー内でのレコメンドになるため、ユーザーに目新しさを感じさせることが難しくなります。

ロジック 3. 協調フィルタリング

ユーザーの行動履歴を基に、ユーザー同士の好みの傾向を計算し、「この商品を買ったユーザーはこの商品も購入しています」といったレコメンド方法です。
協調フィルタリング方式でどの商品をレコメンドするかについては、アイテムベースユーザーベースの2種類があります。

■アイテムベース

ユーザーの行動履歴等を元に、「この商品とよく一緒に買われている他の商品」を探し出して商品をレコメンドします。
例:ワイシャツを購入したユーザーはネクタイも同時に購入することが多い。
そこでワイシャツを購入したユーザーにはネクタイをレコメンドする。

■ユーザーベース

こちらもユーザーの行動履歴等を元に、「購入パターンの近いユーザー」を探し出して商品をレコメンドします。
例:Aさん、Bさんは購入しているものが似ている。
Bさんは買っているがAさんは買っていない商品を、Aさんにレコメンドする。

この協調フィルタリングの一番の特長としては、ルールベースやコンテンツベースとは違い、ユーザーに対して目新しさを感じさせることが出来る点です。
ユーザーの行動履歴等からアイテムベースであれば自分は初めて見た商品でも多くの人が一緒に買っている商品を、ユーザーベースであれば自分は初めて見たけど、自分と嗜好性の似ている人が買っている商品をレコメンドするので、気に入る可能性が高そうですね。

またこのレコメンドを導入する運営者のメリットとして、ユーザーの行動履歴のみを使用するため、アイテム情報を最初に用意する必要がなく、導入しやすい点も挙げられます。
アイテム数が多い場合でも、アイテムの類似性などを設定する必要がないので、工数をかけることなくレコメンドを導入する事ができます。

ただしユーザーの行動履歴から嗜好の類似性を収集するまでに時間が必要なので、効果の高いレコメンド配信をすぐ行う、というのは少し難しい場合もあります。

まとめ

現在ネットを利用していると、色々なところでレコメンドされる機会があります。もはやネットサービスに欠かせない存在となったのではないでしょうか。
レコメンドをうまく使うことで潜在的に欲しているものを提供できると、ユーザー、ECサイト運営者、どちらにとってもメリットがあります。

色々なレコメンドのロジックがある中、メリット、デメリットを理解することで、目的に合ったレコメンドシステムを選択してもらえれば幸いです。

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