ネットショップ開業ということはまさに店舗を1つ経営することですから、仕事の範囲は非常に広くなります。そのすべてを自分だけで、それも手作業していては、時間がいくらあっても足りないでしょう。業務の中で優先順位が低いもの、ルーチンで作業できるもの、安く外注できるものは、人に任せたりシステム化するなどして、自分では「やらない」という仕事を決めていくことが重要です。

ここでは、その「やらなくてよい仕事」とは何か、自分でやらない場合にはどのように実行するか、という点について全3回に分けて解説して行きます。

しなければならない仕事の全貌

まずはネットショップの開業、そして運用する上で発生する業務を確認していきましょう。

  1. 商品開発/商品探索
  2. サイト制作
  3. サイト改善
  4. 商品管理(仕入れ)
  5. プロモーション(新規客獲得)
  6. 受注、出荷指示
  7. 商品管理(出荷、追加発注)
  8. 発送
  9. プロモーション(リピート獲得)
  10. クレーム対応

では、まず1つ1つの業務をまず解説します。

1. 商品開発/商品探索

ネットショップの運用をするなかでもっとも重要なのは、売れる商品を用意することです。したがって仕入れるのであれば、どのような商品が売れそうかを探索し、仕入れの契約までする必要があります。
自社開発であれば、商品の企画から価格設定、製造場所の決定、製造個数決定など、することは多岐にわたります。

2. サイト開発

開業する際は大きく分けて、自社で独立したサイトを立ち上げる方法と、Amazonや楽天などのECモールに出店する方法があります。なお、自社サイトを持ちながらモールにも出店しているケースや、複数のモールを並行利用しているケースもあり、ネットショップ開業の際、自社サイトかモールかは必ずしも二者択一というわけではありません。

今回は、自社サイトを運用するにあたっての順序を見ていきましょう。

ECシステム(ASP)選定

自社でサイトを持っていないのであれば開発しなければなりません。サイトをゼロから構築するのは莫大な費用と時間がかかります。しかし今は、フォーマットやシステムが揃っているシステムが販売されていたり、ASPと言って簡単に言えばレンタルシステムがありますので、その中でどれをベースにしていくかを考える必要があります。
またその際には、販売のシステムだけのASPではなく、在庫管理システムがついているものを選びましょう。

サイトデザイン検討

サイトのベースとなるシステムが決まったら、その上にデザインを乗せていきます。凝ったものにしたいかもしれませんが、デザインの凝り具合は売上と全く連動するわけではありません。ですからユーザーにとって使いやすい、何がどこにあるのかすぐわかるデザインにしましょう。

商品撮影

サイトに掲載する商品に関して、以下の条件に当てはまる写真を用意します。

  • 著作権がついていない
  • 画像がクリアである
  • 全体画像だけではなく、商品の特徴を伝えるアップの写真や、使用状況の写真がある

このようなものがない場合は、自社で商品撮影をする必要があります。写真は売上を左右しますので、スマホの内蔵カメラも性能は確かに上がっていますが、きちんとデジタル一眼レフなどを使い、かつ照明と背景もその写真が映えるように設定しましょう。撮影セットとして一式揃ったものが販売されていますから、それを購入するのもおすすめです。

商品登録

リアルの商店であれば商品を陳列しますが、ネットショップの場合はその代わりに撮影した写真の登録や、商品情報の登録が必要です。
これも写真と同様に売上を左右しますから、ユーザーが知りたい情報をしっかり登録しましょう。具体的には、サイズ、カラーバリエーションなどです。ネットショップ上は同じ商品でサイズ違い、色違いのものはすべて「違う商品」として1つ1つにIDがついて登録されます。これをSKU(エスケーユー)と言います。

3. サイト改善

サイトは開発してそれで終わりではありません。
開発したものが最初から完璧で、ユーザーにとって使い勝手がいい、あるいはこちら側で狙った商品が思ったように売れている、ということはまずありません。利用状況や売上状況を見てサイトの改善が必要です。

4. 商品管理(仕入れ)

そして商品は1度仕入れたらそのまま放っておくということもできません。売れれば在庫が無くなり、無くなったらそれを求めてきたユーザーに売り損ねて、重大な機会損失をします。常に在庫数を把握し、品切れがないように管理し、必要に応じて追加発注をかける必要があります。

5. プロモーション(新規客獲得)

ネットショップは言ってみれば、普段人通りのない山の中に建てた1軒屋の店と同じです。何のプロモーションも打たなければ、市場においては誰も気づきません。したがって売上も上がりません。
売上を上げるためには、まずプロモーションを行って新規客を誘引する必要があります。

その方法は、第2回で詳しく説明します。

6. 受注、発送指示

ここまでは商品を売る内容でしたが、商品が売れた後の業務を見ていきましょう。

(1)ユーザーへ注文状態をお知らせするメール送付
(2)販売する商品が在庫にあるか確認し、在庫があればそこから注文数を引く(これを引き当てと言います)
(3)出荷指示を出す

この作業は単純ですが、ミスがあると大きなクレームになるので要注意です。

7. 商品管理(出荷、追加発注)

在庫管理とは、商品を切らさないということと、過剰な在庫を持たないことです。在庫切れは機会損失につながりますし、過剰在庫は資金を圧迫し倉庫代もかかります。ですから常に販売予測を正確に行って、売れる分だけの商品を在庫に置くことが重要です。

8. 発送

出荷指示に従って商品を倉庫から発送します。ここでミスがあるとすべてが台無しなので要注意です。
商品は単に送ればよいだけではなく、壊れないようにクッション材を入れたり、梱包するパッケージのデザインを自社のイメージにあわせましょう。
また、お礼状と納品書も忘れずいれましょう。

9. プロモーション(リピート獲得)

先ほどのプロモーションは新規客の獲得のためでしたが、1度購入してくれたユーザーにリピート購入してもらうことは新規販売以上に重要です。なぜなら新規販売はプロモーションコストがかかりますが、リピート販売はコストが少なくて済むので、この売上が事業の利益に直結するからです。

具体的には以下のようなことを行います。

サンキューメール送付

ユーザーには必ず発送完了メールと、感謝のメール(サンキューメール)を送ります。その後、商品到着から2週間以内に商品の使用感や不具合を確認するメールを送ります。ただし頻繁に送ると着信拒否にされてしまうので、多くても2回までにしましょう。

メルマガ送付

定期的に新製品情報や、購入した商品の上位商品の紹介を送ります。ユーザーは基本的にその商品が気に入ったから購入したはずなので、その商品に関してのユーザーメリットがあれば読んでくれ、自分のニーズに合ったらリピート購入してくれます。ただしこれも頻繁に行うと着信拒否を招くので、商品の特性を考えた頻度に調整し、送りすぎには注意しましょう。

10. クレーム対応

基本はクレームはあってはなりません。しかし、どんなに気をつけていても発生するものです。クレームは対応を間違えるとさらにトラブルを大きくし、それが自社にとってダメージを与える場合もあります。
慎重に、迅速に、誠実に対応しましょう。

まとめ

長くなってしまいましたが、いかがだったでしょうか。
こうしてみると、やるべきことが多すぎて、何から手を付ければいいのかわからない。と不安になった方もいるのではないでしょうか。ですが全てを一人でやらなければいけない理由はないのです。

次回は、今回整理した内容から優先順位をつけ、何に注力していけばいいのかを考えていきます。