インターネットが情報収集の最も基本的かつ汎用的な手法として定着している現代において、検索エンジンで上位表示をされることはサイト運営する人にとってビジネス繁栄の大きなポイントになります。

検索エンジンがより正しい情報を表示しようと発展、進化すれば、それに対してサイト運営側は上位表示されるようなテクニックを生み出し、その結果検索エンジンとSEO対策はいたちごっこをして来ました。
現代における効果的なSEOを行うためには、その検索エンジンとSEO対策の歴史を理解しておくに越したことはありません。

ここでは、検索エンジンとSEOの発展の歴史と、現代において効果的なSEO対策のトレンドを解説します。

SEOとは何か

まずSEOの歴史を知るためには、そもそもSEOとは何かおさらいしましょう。

SEOとは

SEOとは、Search Engine Optimizationの頭文字をとったIT用語で、「検索エンジン最適化」のことです。

何かの商品やサービスを探しているネットユーザーは、多くの場合、GoogleやYahooなどで関連するキーワードによって目的のものを見つけようとします。そして検索結果として表示されたサイトで関連しそうなものを上から順にみていき、希望と合致するものがあれば、購入や連絡と言った行動に移ります。慎重なユーザーの場合でも、上から順番に見ていく中でいくつか候補のサイトを選び、その中から気になったサイトにアクセスします。

したがって、自社の商品やサービスを販売したり、プッシュするためには、自サイトがいかに検索上位に表示されるかが、成功の分かれ目になります。
SEO対策とはGoogleなどの検索エンジンのアルゴリズムを分析し、上位に表示されるように自サイトを改編していく作業で、現代のWebマーケティングを行う上では、最重要の課題なのです。

SEO対策は大きく内部SEO外部SEOに分かれます。

内部SEOとは

内部SEOとは、サイト運営担当者にとってコントロール可能な部分の対策を指します。
サイト内容の検証とレベルアップ、サイト構造の改善、サイト作成のプログラムの最適化などです。

外部SEOとは

これに対して外部SEOとはサイト運営担当者または自社ではコントロールができない対策を指します。
1番多いものは、他のサイトからリンクを張ってもらって検索エンジンに優良なサイトだと判断してもらうようなことです。以前はそれを相互リンク募集サイトや自動相互リンクサイトなどによって自社でもコントロールできましたが、後で述べるように、その方法は今では通用しません。したがって被リンクを増やすことは直接的には行えないのです。

以上を踏まえて、時代を追ってSEOの歴史をご紹介します。

SEOの歴史 ~ SEO誕生まで

まず最初にSEOが誕生する時代までの様子をみていきましょう。

検索エンジンの台頭とSEO対策登場

アメリカ国防総省が戦略設備として開発したインターネットが、1970年代の終わりに一般のユーザーも使える、知りたいことを何でも検索できるインフラとして広がり始めると、ウェブサイトの数もどんどん増えていきました。

その後、多くのユーザーに利用される検索エンジンの開発に巨大なビジネスチャンスがあると判断され、さまざまなIT企業やベンチャー企業がその開発に乗り出しました。その有名な例がInfoseekやExciteなどです。日本でも早稲田大学が開発した「千里眼」や東京大学開発の「ODIN」など学術機関開発のもののほか、NECの「NETPLAZA」、富士通の「InfoNavigator」、ソニーの「WAVE Search」、リクルートの「WebdeW」など、まさに百花繚乱の状態でした。
それぞれがビジネスチャンスの獲得を目指して、検索エンジンの開発に取り組みました。

これと時を同じくして、検索エンジンで上位に表示されることは、検索エンジン開発に次いで大きなビジネスチャンスだということが認識され、検索結果の上位表示をするためのテクニックが開発されるようになりました。

これがSEO発祥の経緯です。

ロボット型検索エンジン対策

その当時の検索エンジンは、ロボット型検索エンジンと言って、ロボットが各サイトを回って、その内容を検証し、カテゴリー別にデータベースに格納するものでした。
これをクローリングと言います。

しかしその頃のロボット型検索エンジンの精度はまだ低く、何がそのサイトに記載されているかは、記載されている文言だけで判断するものがほとんどでした。そしてその文言が多ければ多いほど検索結果としては上位に表示されたのです。

その当時のSEO対策は、仮に自動車のサイトであったとしても、世の中のターゲット層が金融に関心があると思われば、サイト内にユーザーからはわからないように「金金金金」と無数に記述するなどの方法でした。
そのほか「隠しテキスト」「クローキング」「自動生成コンテンツ」「不正リダイレクト」など、現在では実施してしまえば即悪質サイト、スパムサイトと認定されてしまうようなSEO対策はこの頃考案されたものです。
後ほど、詳しくみていきましょう。

ディレクトリ型検索エンジン対策へ

これに対して検索エンジンのあり方に違うアプローチをしたのがYahooです。

Yahooは情報の収集とインデクシングを作業ロボットではなく、すべて人力で行い、その結果をカテゴライズして表示するポータルサイトを構築しました。この方法であれば情報の精度はかなり高いため、一躍Yahooはポータルサイトの雄になったのです。
これに追随して、MSNやExciteなども同様の方法のポータルサイトとそれを支える検索エンジンを構築しました。これらをディレクトリ型検索エンジンといいます。

このディレクトリ型検索エンジンに対するSEO対策は、同一カテゴリ内で上位に表示させるようにすることでした。
どうすればいいのかというと、多くのポータルサイトは、サイトのタイトルが半角記号、英数字、全角記号を50音順で表示していたので、その順序で1番上位になるようにタイトルをつけることでした。
1番行われたものが、タイトルに「@」をつけるものです。

日本最大級の化粧品口コミサイトの「@コスメ」は、その頃にリリースされたものです。

SEOの歴史~初期のSEO

このように、まだ単純なSEO対策だったものが検索エンジンの高度化に従い、変わっていくことになります。

Google誕生によるリンク数重視時代へ

そのきっかけとなったのが、Googleの登場です。

Googleはロボット型の検索エンジンで、そのサイトのページの重要性はいかに他のサイトからリンクをされているかということで判断するというアルゴリズムで機能するものでした。具体的には、Googleは1つ1つのサイトをクローリングし、その上でURLごとの被リンク数をチェックして、そのページに11段階のランキングスコアを付け、ランクの高いものから順に表示するという方式です。

このアルゴリズムの登場によって、従来の検索エンジンでは判定できなかった、ページ単位ではなくWeb上のすべてのサイトにまたがって、サイトが優良かどうかを判断ですることが可能になりました。
これはユーザーニーズに非常に合致していたため、瞬く間にGoogleは検索エンジンの新しいスタンダードになりました。

2004年にはYahooもディレクトリ型の検索エンジンをやめて、Googleを搭載するようになり、まさに世の検索エンジンはGoogle一色になりました。

初期のSEOテクニック

そうなると当然、SEO対策もGoogleのアルゴリズムに対応したものへと変わり、新たに開発されていきました。

相互リンクによる大量のリンク獲得

1つは相互リンクを大量に集める方法です。もともと相互リンクはお互いに自サイトに関連するサイトを紹介しあうものでしたが、それを自動で行うシステムが開発され、内容とは関係なく被リンクを大量に集めることが有効なSEO対策となりました。

ワードサラダサイトの自動生成

ワードサラダとは、文章として意味が通じないものを自動的に生成し、それを集積させることです。ワードサラダサイトというSEOは、サイトを大量生産して、そのサイトに自サイトのリンクを張る方法です。

隠しリンクの設置

自社で制作したアクセス解析ツールなどを無料で大量に配布し、そのシステムの中にクライアントのサイトへのリンクをこっそり入れておくSEOも行われました。これを隠しリンクといいます。

テキスト広告の大量購入

広告には当然自サイトへのリンクが張られるので、安価なテキスト広告を大量に購入することで被リンク数を稼ぐという方法もSEO対策として有効でした。

これらはサイトの内容に関係なく、Googleのアルゴリズムの未熟さを突いて、自サイトの上位表示を実現させるものでした。この傾向はGoogleの目指す目的とは異なっていましたので、Googleは社を挙げて、検索エンジンの精度アップに取り組み、またそれといたちごっこのような形でSEO対策も変化していきました。

中期のSEOテクニック

中期の主なSEO対策は以下のようなものでした。

短文コンテンツの大量生成

自動生成によるワードサラダをGoogleが見分けるようになりました。
すると今度は、人間が読んで多少意味が通じる文章や、関連性が一応はある文章を400文字程度のボリュームで作成してサイトにし、その中にリンクを入れる手法へと移行していきました。

異なるIPアドレスの取得

Googleはサイトの独立性を判断するにあたり、IPアドレスが異なっているかどうかを見ていました。
それに対して、異なったIPアドレスを持ったサイトを大量に作成する手法が開発されました。

多くのリンクを持ったドメインの購入

過去に運営されていてリンクも多数張られていたサイトで、何かの理由でそのドメイン更新処理がされなくなったものが売買されるようになりました。
それを購入して自サイトのドメインにすれば、労なく大量の被リンクを稼げるので、この方法もSEOとしてはよく採用されました。

テンプレートの多様化

サイトの構造がいかにユニークかということも、そのサイトがスパムではないということを判断する根拠になったため、それまでせいぜい5種類程度しかなかったのサイト構築のテンプレートが非常に多様化するようになりました。

以上のようにここまでのSEOはそのサイトの有益性を上げて検索上位を得るものではなく、Googleの検索エンジンの未熟さを突いて検索上位を狙うという、ある意味非常にテクニカルなものでした。つまり内部SEOではなく、外部SEO優先の時代だったのです。

これを問題視していたGoogleが行ったアップデートがパンダアップデートとペンギンアップデートです。

SEOの歴史 ~ 外部SEOから内部SEOの時代へ

それまでのSEO対策の考え方が根本から覆されることが起こりました。

Googleによる偽造リンクの駆逐

Googleのアルゴリズムの根幹は、被リンク数が多いサイトが優良サイトという考えで、それは変わっていません。
Googleはその被リンクの判定方法を抜本的に見直し、いわゆる偽造リンクを排除するようになりました。

それがパンダアップデートとペンギンアップデートと呼ばれる2つのアップデートです。

2011年 パンダアップデート

2011年に行われたパンダアップデートとは、被リンクの数に関係なく内容が薄い、一貫性がないなどといった質の低いコンテンツの表示順位を下げ、内容がしっかりした良質なコンテンツを上位表示させるというものでした。

これによって、コピー&ペーストで作られたページや、プログラムで自動生成されたページは、一斉に排除されました。
その結果、オリジナルで専門性が高い、本当の意味でユーザーに有益なサイトが上位表示されるようになりました。無意味な相互リンクを多数持っていたサイトは、このアップデートで一夜にして検索結果からはじき飛ばされました。

2012年 ペンギンアップデート

翌年に行われたペンギンアップデートでは、他サイトを流用したオリジナリティのないサイトや、無意味に被リンクを稼ぐリンク集サイトなどの表示順位を下げるものでした。

この2つのアップデートで、外部SEOに頼り、中身が伴っていなかったサイトは完全に駆逐されました。

現在のSEOの考え方 ~ Googleが掲げる10の事実

このアップデートが大きなターニングポイントになり、これ以降は真に有益な内容で、オリジナリティのあるサイトが上位表示されるようになり、それに応じてSEO対策も大きく変貌しました。
Googleがどのようなサイトが優良だと考えるかは、Googleの企業ポリシーであるGoogleが掲げる10の事実を見ると明らかです。

Googleが掲げる10の事実の第1項目には以下のように書かれています。

ユーザーに焦点を絞れば、他のものはみな後からついてくる
引用元: Googleが掲げる10の事実

つまりGoogleが最優先だと考えていることは、ユーザーの利便性とユーザーにとっての有益性です。
Googleのアルゴリズムはこの項目をいかに現実化させるかということなので、SEOもこの考え方に沿ってサイトを構築させていけばいいのです。

まとめ

SEOの歴史は検索エンジンのアルゴリズムとのいたちごっこの歴史であり、2000年以降はそれがGoogleのアルゴリズムへの対応の歴史だと言えるでしょう。
歴史を振り返っても、Googleがユーザーにとって真に有益なサイトを検索上位にするように社を挙げて取り組んで来たように、今後もその方向でアルゴリズムはさらに進化していくはずです。

その中で検索上位を確保して自サイトへのアクセスを増やしていくためには、Googleの考え方に沿って、自サイトのコンテンツのレベルを上げていくしかありません。Webサイト運営担当者にとってはハードルの高い時代になったわけですが、本来サイトの存在意義はその有益性にあります。
これまでのSEO対策の歴史と現在のトレンドを参考に、正しく、そして効果のあるSEO対策を行って、自サイトの上位表示を実現していきましょう。