自社でサイトを運営しているサイトの担当者であれば、サイトの売上を上げたい、ユーザーの滞在時間を増やしたい、平均ページビュー数を増やしたい!と、日々課題に取り組んでいる人が多いのではないでしょうか?
これらの問題を解決する有力な方法のひとつがレコメンドです。
レコメンド機能は、「興味のある(だろう)商品をおすすめする」という非常にシンプルなマーケティング機能でありながら効果は絶大です。
一言でレコメンドといっても、実はさまざまな種類(機能)があるのはご存じでしょうか?
今回は、レコメンドの種類を分かりやすく解説していきます。
レコメンドとは
おさらいになりますが、レコメンド【recommend】とは勧める、推薦する、という意味です。レコメンデーションとも呼ばれます。
EC などでは、利用者の過去の購入履歴や閲覧履歴を元に、好みにあった物品やサービスを推薦するシステムを指します。
このレコメンドシステムをいち早く取り入れたからこそ、Amazon は大きく成長したと言われています。
レコメンドの種類
レコメンドには、「アイテムベース」「協調フィルタリング」「コンテンツベースフィルタリング」「ハイブリッド型」など、さまざまな種類があります。
どんな違いがあるのか、一つひとつ見ていきましょう。
アイテムベース
アイテムベースとは、ユーザーが見ている商品に近い商品を「こちらもおススメ!」や「関連商品はこちら」という形で紹介するレコメンドのことです。
靴を買おうとしている人に、お手入れグッズをオススメして、ついで買いを促します。
協調フィルタリング
協調フィルタリングとは、Aさんと似た購買行動をしている他のユーザーが買った商品を「他の人はこんな商品を買っています」や「このアイテムを見ている人におすすめ」という形で紹介するレコメンドのことです。
ユーザーベースとも言います。
同じ商品を購入したユーザーの趣味嗜好は似通っている可能性が高いため、シンプルではありますが高い効果があります。
コンテンツベースフィルタリング
コンテンツベースフィルタリングとは、商品の属性データを使用して、類似した商品を表示するという仕組みです。
例えばAさんがHP社のパソコンを閲覧していたら、HP社のラインアップの中から、価格やスペックが似通った商品を表示します。
過去サイトを訪れたことのない新規ユーザーの場合、行動履歴がないので、協調フィルタリング型によるレコメンドが難しくなります。
コンテンツベースフィルタリング型ならユーザーの行動履歴に依存しないというメリットがあります。
ハイブリッド型
ハイブリッド型とは複数のフィルタリング技術を組み合わせることで、協調フィルタリング型とコンテンツベースフィルタリング型にあるデメリットを補いつつ、ユーザーに対して最適な商品をレコメンドするための仕組みです。
サイトの訪問者がリピーターならば協調フィルタリング型によって商品を表示し、新規訪問者ならがコンテンツベースフィルタリング型によって商品を表示するといった、臨機応変な対応が可能です。
実際はもっと複雑な設計がされており、訪問者に応じて常に最適なレコメンドを行うことができます。
レコメンドエンジンを導入するときの注意点
レコメンドを自社サイトで行うにはレコメンドエンジン(レコメンドシステム)の導入が必要です。
レコメンドエンジンを導入するにはそれなりの費用が掛かります。低価格から利用できるシンプルなものから、高機能製品まで幅広くあるので、用途にあったものを選ぶといいでしょう。
ここでは、導入するときの注意点をご紹介します。
どんなサイトでも導入できるわけではない
Base や STORES などの、0 円からサイトを作ることができるツールには、レコメンデーション機能は基本的についていません。ツールの仕組みが公開されていないためこともあるため、導入できない事も多いです。
ただし、自社で1から作成したサイトであっても全てのサイトに導入できるわけではありません。レコメンドエンジンの仕様によって導入可能か異なりますので、レコメンドエンジンを提供している企業に自社のサイトを調査してもらう必要があります。
ASP サービスを利用する
ASP サービスとして提供されているレコメンド機能を利用することで、最も低コストかつ短期での導入ができます。
専門的なツールとなっているため、安価な費用で高機能なレコメンド機能を利用することが可能です。
プライベートDMPを導入する
自社内にプライベートDMPを構築し、プライベート DMP の機能を利用しレコメンドを実施する方法です。
ASP サービスよりもコストはかかりますが、外部のオーディエンスデータやオフラインのデータなどを活用し、より高度なレコメンドを行うことができます。
成功には戦略が不可欠
良いレコメンドエンジンを導入したからといって簡単に売上が上がるものではありません。しっかり戦略を練り、実行していくことが重要です。
たとえば、「関連商品」などのアイテムベースのレコメンドを行う場合、どんな商品を関連アイテムとして紹介するかによって売上が大きく変わります。
ユーザーが見ている商品がホットプレートなのに関連性が低いソファを表示しても効果は低いでしょう。ホットプレートであればお皿や料理に使う調味料などユーザーの購買行動を考え商品カテゴリー別に戦略を立てると良いでしょう。
同じカテゴリーで別の商品を紹介するのか、別のカテゴリーだが一緒に使える商品を紹介するのかなども考える必要があります。
戦略という言葉にとらわれすぎずにお客様が他に必要としているものは何だろう?お客様に何を提案したら喜ばれるだろう?という視点で考えることも重要です。
まとめ
レコメンドは、今やサイトにとってはあって当たり前の機能となっています。
時には、お客様が気づいていない「潜在的なニーズ」を喚起させてあげることも必要です。
レコメンド機能を導入したからといって、必ずしも収益が伸びるわけではありません。レコメンド機能はあくまで手段なので、それをいかに活用するかが重要です。
しかし、導入することでサイトのユーザビリティーを向上できることは間違いありません。