前回のコラムで、具体的な集客方法をまとめて紹介しましたが、この集客施策を行う上での気を付けなければならないポイントが2つあります。
ターゲットを明確にする
1つは自社の商品やサービスのターゲットを明確にすることです。とにかく誰でもいいから買ってくれればよい、という考えでは、売れるかもしれませんが博打に近い売り方であることは否めません。
たまたまあなたが提供する商品を欲しがっていて、なお且つ、今すぐ使いたい、もしくは手に入れなければならないという緊急性があれば……というような偶然が重ならない限り売れません。全ての人に好かれることは不可能だと分かっているのに、なぜか集客をするときは忘れてしまう人が多いようです。
だからこそ、この商品は誰に買ってほしいのか?このサービスを誰に提供していきたいのか?を明確にする必要があるのです。
現代のマーケティングの成功パターンは、自社の商品、サービスを必要としているユーザー、あるいは本人は気づいていないが実は自社の商品を使えば非常にメリットがあるはずのユーザー(潜在顧客)を特定し、そのユーザーのニーズに合致した情報を集中的に発信することです。
たとえば、審査をあえて緩くしたクレジットカードを拡販しようという場合、ターゲットは今までの審査ではクレジットカードを作れなかった主婦や低所得層、あるいは高齢者です。この層に集客するためには、主婦、低所得者層、高齢者の目に触れそうな方法で、他社では審査が通らなかった人でも通る可能性が高い、というメリットを発信することです。こうすることで、全ての人に対して情報を発信するより、はるかに費用対効果の高い集客が可能になるのです。
PDCAサイクルをしっかり回す
2つ目はPDCAのサイクルを必ず回すことです。
PDCAとは「Plan=企画する」「Do=実行する」「Check=結果を把握し問題点を抽出する」「Action=問題点を解決して再度実行する」の頭文字です。どのようなビジネスでも最初からすぐに大成功することは、ほぼありません。多くの場合、試行錯誤を行って、徐々にビジネスのレベルを上げていき、成功に至ります。したがって成功のためには、PlanとDoだけではなく、そのあとのCheckとActionが重要になってきます。
たとえば、ネットビジネスはリアルビジネスに比べて施策の結果が非常に把握しやすい特性を持っています。たとえばメールマーケティングであれば、送付したメールが開封されたか、商品へのリンクはクリックされたか、その後ユーザーは商品を購入したかまですべてわかります。詳細には結果がわかるということは、うまくいかない時に問題点のありかが明確にわかるということです。問題点が的確に分かれば問題点を適切に改善し、結果的に集客力、購入率を上げることに直結します。
ネットショップで集客施策を行う場合は、単にいくら売れたということだけではなく、集客数、直帰率、離脱率、サイト内の離脱箇所、顧客単価、併売商品などをしっかり分析して、どの部分が売上を上げていくうえでボトルネックなのかを把握しましょう。ボトルネックを1つ解消すればその都度売上が上がり、すべて解決した時には極めて繁盛するネットショップが完成するはずです。
まとめ
集客施策を成功させるための基本中の基本となるポイントを2つご紹介しました。
有料の集客方法をすべて行うのはコスト的に限界がありますし、無料の集客方法や、SEO施策は人的リソースの問題ですべてを一気にすることは難しいかもしれません。そういう場合は、優先順位をつけて実行していきましょう。
その際にも重要な点はPDCAです。
ある策をいくら実行しても効果が上がらなければ、それは自社のネットショップには不向きな方法で、実は優先順位が低いものなのかもしれません。その場合は、すぐにほかの策に軸足を移しましょう。そのようにPDCAを回していけば、自社にとって最適な集客方法が必ず見つかるはずです。